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若手夏の学校

abst-v3

銀河系中心におけるバブル構造の形成機構:AGNフィードバックの役割と宇宙論的シミュレーションによる検証

天の川銀河には、eROSITA/Fermiバブルと呼ばれる銀緯南北方向に伸びる泡状構造が存在する。バブルサイズは天の川銀河中心から最大で14kpcにも達するほどの大きなものである[1]。この泡構造の物理的起源は未だ分かっておらず、長年議論されてきた。この泡構造の発見後、理論モデルがいくつか提唱された。

理論モデルは大きく2つに大別することができる。1つがスターバースト銀河のような銀河系中心で起こる強い星形成の活動によるモデルである[2, 3]。大量の重力崩壊型超新星爆発により、銀河内のガスが銀河間空間に放出される現象であり、一般に銀河風と呼ばれる。もう一方が、活動銀河核(Active Galactic Nuclei; AGN)からのAGNから噴き出すアウトフローによるモデルである[4]。

宇宙論的シミュレーションTNG50では、eROSITA/Fermiバブルに似た形態的特徴を持つ銀河が200近く発見され、それらのデータからAGNフィードバックが支配的である可能性を示唆されている[5]。本研究では、さらなるTNG50上の銀河の解析を行うことによりAGN フィードバックによるバブルの形成可能性について検証する。またGADGET4-Osakaコードを用いた宇宙論的シミュレーションCROCODILE[6]において、AGNフィードバックを敢えて除いたシミュレーション上のバブル構造を持つ銀河を解析することで、AGNフィードバックがバブル進化に与える影響について議論する。

[1] Predehl, P., Sunyaev, R. A., Becker, W., et al. 2020, Nature, 588, 227
[2] Nogueras-Lara, F., Schödel, R., Gallego-Calvente, A. T., et al. 2020, Nat Astron, 4, 377
[3] Yusef-Zadeh, F., Hewitt, J. W., Arendt, R. G., et al. 2009, ApJ, 702, 178
[4] Genzel, R., Eisenhauer, F., & Gillessen, S. 2010, Rev Mod Phys, 82, 3121
[5] Pillepich, A., Nelson, D., Truong, N., et al. 2021, Monthly Notices of the Royal Astronomical Society, 508, 4667
[6] Oku, Y., & Nagamine, K. 2024 (arXiv), http://arxiv.org/abs/2401.06324

Reference format

The Astrophysical Journal citation style: https://paperpile.com/s/the-astrophysical-journal-citation-style/